アマゾンが生き残るために「ジェフ・ベゾスの退任」は不可避だった【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.102】

ベゾスは7月5日、アマゾンのCEOを退任した。そして7月20日には、ブルーオリジンの有人ロケットに搭乗し、彼は宇宙へ飛び立つ。


いまやアマゾンは、新製品の開発だけでなく、アイデアの検討から大きな意思決定まで、滞りなく機能している企業だと広く認識されている。そしてこれは、ベゾスの後任として次期アマゾンCEOに就任するアンディ・ジャシー(53)への「信任表明」でもある。


ジャシーのCEO就任に期待する社員たち

ベゾスはアマゾンを1994年7月5日に創業した。ジャシーは今年の創立記念日に、CEO職をベゾスから引き継ぐ。


ジャシーと仕事をしたことがある人は、感じのよい人物だと評する。また、細部をおろそかにしないところがあり、とくにデータや技術的に突っ込んだ内容の記憶の確かさには驚かされるという。


ジャシーのこうした能力は、政治的な矢面に立たされた際もプラスに働くはずだ。実際、彼は巨大IT企業、とりわけアマゾンに向けられているかつてない敵対感情と真正面から向き合っている。

アマゾンの政治戦略に詳しい関係筋によると、社内では、ベゾスに代わりジャシーがアマゾンの「顔」になることに期待が寄せられているという。世界一知名度が高く、一部からは度を超えた資本主義の象徴とみなされている実業家が、地味なスポーツファンの社員と交代するからだ。


ベゾスと“知的スパーリング”

20年以上、忠実な右腕としてベゾスに仕えてきたジャシーは、アマゾンの収益エンジンであるAWS部門創設の立役者として社内外から尊敬を集める存在だ。

AWSはウォール街の認識をあっさり覆した。2020年時点におけるAWSの収益は、アマゾンの総収益の12%しか占めていないが、同社の年間営業利益のおよそ60%に達している。


アマゾンから提供された社内会議の抄録で、ジャシーは「有能な人材の採用」が最優先事項だと述べている。会社が急激に拡大しているいま、「アマゾンのDNA」を共有していない新しい社員をどうやって会社の文化に取り込むか、それを検討するのが急務だと彼は言う。


ベゾスは本当に身を引くのか?

ベゾスはCEOとして株主に宛てて書いた最後の手紙で、雇用主としてのアマゾンの評判を高めたいと述べている。いまや従業員を130万人も抱える巨大企業になったアマゾンにとって、これは困難な課題だ。


アマゾンの経営幹部は、依然として圧倒的に白人男性が多いという不満も消えていない。

2020年時点で、全従業員に占める男性の割合は55%だったが、経営幹部に占める割合では78%にもなる。AWS元幹部社員は、同社の企業文化には女性の活躍を阻むところがあり、ジャシー体制になれば変わるとも思われていないと話す。


男女間賃金格差の是正の動議を受けたアマゾンは5月、「性別や人種の多様性向上に関しても、経営陣も含めて真摯に対応している」と発表した。


別の疑念を抱く投資家もいる。投資信託会社スコットランド・モーゲージ・インベストメント・トラストの共同経営者トム・スレイターは、投資家宛てに次のような手紙を書き、同社がアマゾン株の保有数を減らしたと明らかにした。


アマゾンからは、CEOを退任する創業者ベゾスへの盛大な送別会を開く話は出ていない。これは同社の「質素の原則」に従ったからだが、7月20日の有人宇宙飛行は例外だ。ベゾスと、弟のマークの隣の座席に座る権利は競売にかけられ、2800万ドルで落札されている。現時点で落札者は不明だ。


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