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米アトランタ動物園のゴリラたちが新型コロナウイルスに集団感染【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.152】

米アトランタ動物園は、13頭のニシローランドゴリラが新型コロナウイルスに陽性反応を示したと発表した。


感染したゴリラたちは、咳や鼻水、食欲不振などの症状を示していたため、動物園の職員が検査したのだという。


同動物園にいる20頭のゴリラたちは、4つの群れに分かれて暮らしており、すべての群れに

陽性のゴリラがいると、地元紙「アトランタ・ジャーナル=コンスティテューション」は報じている。


同紙によれば、動物園の職員は、ゴリラたちの便と、スワブで鼻腔および口腔の細胞を採取し、ジョージア大学のアテネ獣医診断研究所に送付。検査の結果、陽性であることがわかったという。


また、ゴリラたちは、ワクチン接種済みの無症状の担当職員から感染したと推測されている。担当職員は、手袋やマスク、フェイスシールドなどの保護具を着用していたそうだ。なお、同園は「職員らにワクチン接種を義務付けてはいないが、ほとんどの職員がワクチンを接種している」と、同紙に語っている。


回復したら動物用ワクチンを接種予定


今回の事例は、大型類人猿( ヒト科の中でヒト属以外のもの。オランウータン属、ゴリラ属、チンパンジー属など)の感染としては2番目である。今年1月、カリフォルニア州のサンディエゴ動物園でニシローランドゴリラが感染したのが最初のケースだった。治療を受けた8頭のゴリラたちはすべて回復したと報じられている。


ゴリラは群れの中でそれぞれが寄り添って生活をしているため、「陽性のゴリラだけを隔離するのは不可能だ」と、同園の動物衛生担当シニアディレクターは語る。そのため、このま

ま群れで飼育しながら、すべてのゴリラの健康状態の確認を続けるそうだ。


すでに、60歳の高齢ゴリラのオジーほか、新型コロナの合併症を起こす可能性の高いゴリラにはモノクローナル抗体が投与されていると言う。


モノクローナル抗体の投与は、「新型コロナ感染症の患者に早い段階で投与することで、重症化率や死亡率を大幅に低下させることができる」とされている。

ほかの陽性のゴリラたちには、症状が回復したらゾエティス社製の動物用の新型コロナワクチンを接種する予定だと、語っている。


ゾエティスはアメリカの製薬会社で、ペットや家畜など動物向けの医薬品とワクチンを製造している。この分野では​​世界最大の規模だ。同社の発表によれば、動物用の新型コロナワクチンの実験は、昨年、香港で犬が感染した症例が初報告されたときから開始していたそうだ。


同ワクチンは2回の接種が必要で、前述のサンディエゴ動物園のゴリラも、このゾエティスのワクチンを打っている。アトランタ動物園でも、ボルネオオランウータンとスマトラオランウータン、スマトラトラ、アフリカのライオン、ウンピョウなどにすでにゾエティス製ワクチンを接種しているという。


これまで、新型コロナへの自然感染が確認された動物は、ゴリラのほか、トラ、ライオン、ミンク、ユキヒョウ、犬、猫などがいる。オランダとデンマークではミンクから人への感染が発表されたが、その他の動物から人に感染するという証拠は現時点では確認されていない。


加えて、動物園の訪問者と動物の間にはソーシャルディスタンスが設けられているため、動物から人へと感染する可能性は、極めて低いと、同紙は述べている

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