カブールで最も安全な場所は「チャイナタウン」 貿易・投資で商機を狙う中国とタリバンの蜜月関係【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.149】

大多数の日本人にとって寝耳に水だった、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンによる8月15日の首都カブール制圧。


だが中国の外交部(外務省)と駐アフガニスタン大使館は早めにアフガニスタンを離れるように」との警告を発していた。多くの在留中国人は7月末の政府派遣便で帰国した。

だが「喀布爾中国城(チャイナタウン・カブール)」の住民と商人は今も自発的にカブールにとどまり続けている。


チャイナタウン・カブールの余明輝(ユゥ・ミンフイ)代表によると、タリバン当局者がカブールを制圧して間もなくチャイナタウン・カブールを訪れ「ここで有事があれば、われわれに連絡するように。幹部が問題解決に動く。タリバンはチャイナタウン・カブールを非常に気に掛けており、必要とあらば兵士を派遣して率先して行動する準備がある」と述べたという。

「カブールで最も安全な場所」

余明輝は「アフガニスタンの政情は今なお流動的だが、タリバン政権は中国人投資家を保護する姿勢を鮮明に打ち出し、中国の資本と技術、人材がアフガニスタンの将来の発展に重要だと認識している。タイマニ地区一帯は9月に入っても、タリバンと前政権との小競り合いもなく平和。チャイナタウン・カブールが、今のカブールで最も安全な場所と言っても過言ではない」と胸を張った。


チャイナタウン・カブールの運営母体は中国大使館の役割も補完しており、2021年6月には、アフガニスタン政府の公共事業省と、出力300メガワット(MW)の石炭火力発電所を建設する合意書を取り交わした。

このほか独自に、都市開発省、通信・IT省、アフガニスタン電力公社(DABS)などともインフラ建設の契約をしており、アフガニスタンの国づくりに不可欠の存在だ。

8月15~17日の3日間だけ臨時休館し、18日から通常営業を開始している。

アフガニスタンに貿易と投資で急接近の中国

余明輝は2001年に中国・アフガニスタン貿易を開始。2002年、カブールにアフガニスタン最初期の外資系企業としてオフィスを構え、2008年、中国国有鉄鋼大手の河北鋼鉄集団(HBIS)から技術者を招き、主に長い戦乱で打ち捨てられた戦車や戦闘機を鉄に変える明海鋼鉄廠(ミンハイ製鉄所)を共同建設した。


余明輝によるとアフガニスタン前政権が進めてきたカブール北部のデサブ新都市建設は順調に進んでおり、引き続き援助が求められている。


アフガニスタンは国際的な支援を受けることが習慣となっており、防衛、都市、農業、工業部門の大半は援助に依存している。2021年は3ヵ所の水力発電所が稼働するという。


タリバンに接近し、ウイグル人の反抗を抑える


中国にとってタリバン政権との密約は、安全保障上のくさびにもなる。

中国・新疆ウイグル自治区に居住するウイグル人たちは、漢民族ではなくテュルク系のムスリムで、イスラム教スンニ派の信徒が多い。アフガニスタン人も大多数がスンニ派で、タリバンもスンニ派過激組織。


これまで新疆ウイグル自治区では、中国政府の弾圧から逃れるため国境を接するアフガニスタンに何百人ものウイグル人が逃れ、タリバンなどの組織でテロリストとしての戦闘訓練などを受けていると言われている。


ウイグル人弾圧を強化してきた中国としては、タリバン政権と緊密化することはウイグル人の反抗を抑える上で都合がいいのだ。

王毅外交部長はアブドゥル・ガニ・バラダルに対し、経済支援と同時に

「ETIMは国際テロ組織であり、中国の安全保障と領土保全に直接の脅威をもたらす。タリバンがETIMなどすべてのテロ組織と完全に一線を画し、地域の安全、安定、開発協力の障害を取り除く役割を果たすことが望まれる」

と釘を差すのも忘れなかった。

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