あえてキャリア・アップをしないということ
キャリアアップをすることはいいことだ!と多くの人は思いがちかもしれないが、果たして本当にそうか?ということを考えたことはあるだろうか?
僕もキャリアアップはずっと目指すべきことだと思っていたけど、じゃあ今までの人生はなんだったのか?ということを考えた時に、僕はキャリアスライド、をしていたなっていうことを感じた。
つまり縦方向に行くのではなく、斜め45度くらいの方向を進んでいたような気がするのだ。
なぜなら何となく一つの世界を突き抜けていくことに限界を感じていたし、最高の競争戦略は競争をしないことだということがわかっていたからかもしれない。
金融業界に入った時に感じたこと
実はそれを最初に感じたのは、外資系の投資銀行に新卒で就職活動をしていた時。当時、同じ大学生とは思えないくらい、頭が良いひとたちが周りにたくさんいた。
毎回、会社説明会に行くたびに、自分の居心地の悪さを感じて、ご飯だけ食べて帰るみたいなことをやっていた。
なぜなら社員と話をすると「コイツみたいな馬鹿がなんできているんだ?」って思われたら嫌だったし、同じようにきていた学生との話もレベルが高過ぎてついていくことができなかったから。
だから僕がたとえ金融の世界に入ったとしても、トップを目指そうと思ったら東大や京大出身で、頭がキレまくっている人と正面で戦わないといけないんだなっていうことを感じた。
そして、それは無理だし自分がその世界で頂点になることは絶対にないだろうということを感じた。
だから転職するときは金融業界は1社も選択しなかった。
じゃあ僕は何をしたか?というと、業界を変えて戦うことにした。人材業界に行ったのだ。
その結果、何が起こったか?というと、金融の知識がある人が人材業界には多くないので、金融出身だったら当たり前のように行う財務分析や決算説明資料を見て相手の会社がどういう状態か?ということを考えられることに価値が生まれるのだ。
つまり専門の業界では当たり前の知識が他の業界では新鮮になる、ということを利用して差別化を図ったのである。その結果として、人材の営業ではある程度の結果を出すことができた。
自分のフィールドを20代で見つけよ!
だから20代では、とにかく色々な経験を積む中でフィールドを変える!という経験を一回はした方がいいと思う。そうすることで、戦う場所が変わるとこんなにも違うんだ、っていうことを感じるから。
でも逆に20代のうちに自分の方向性はある程度は定めた方がいい。
なぜなら中途半端にいろいろ手を出しすぎると、その時間においてその分野だけしかやってこなかった人に圧倒的な差をつけられるから。
例えば社会人10年間ずっと営業をやってきた人と、3年営業やって3年エンジニアやって4年経理やって、、という人がまた営業をやる!となると営業力では10年選手に勝つことは
難しい。
だから色々な経験を積んでいくことは決して無駄ではないし、それが差別化を生むことがで
きる反面、リスクとしては全て中途半端に終わってしまって結局何も人に胸を張って言えるスキルがない!ということが往々にしてある。
それなので、塩梅が難しいが、ただ今回の記事で伝えたかったのは自分自身で意図的にキャリアを一直線に上に向かおうとはせずにあえて斜めにスライドさせる、という意識を持つことがいいのではないか?という提案をしてみたかったのだ。
ぜひ、この点について今一度考えてもらったいいと思う。