中国の「美容整形ブーム」は死亡事故の悲劇が起きても止まらない【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.123】

中国では、美容整形市場が急成長しており、現在世界の約5分の1を占めるという。

デロイトの調査によると、中国の美容整形市場規模は4年間で約3倍に拡大し、2019年には273億ドルとなった。今も世界平均の8.2%を大きく上回る、年間28.7%の成長率で中国の市場は拡大しており、アメリカを抜いて世界一の美容整形市場になると予測されている、と英メディア「BBC」は報じる。


美容整形は、かつて中国ではタブー視されてきたが、特にZ世代には抵抗がなく、手術をする若者が増えている。


整形に関するアプリやSNSも成長している。「更美」というアプリでは、ユーザーは美容整形に関する情報をシェアしあい、手術やクリニックの情報を得られるだけでなく、登録している医師からアドバイスをもらい、クリニックの予約も取れる。


美容整形による深刻な事故の多発

一方、急成長の影では問題も多い。中国メディア「グローバル・タイムズ」によると、2019年には6万以上の無認可の美容整形クリニックが中国に存在し、それらのクリニックでは、毎年約4万件、1日平均110件の「医療事故」が発生しているという。


シャオランというこの女性は、中国のSNS「ウェイボー」で13万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーだった。

シャオランは、杭州のクリニックで5月初めに、ウエストと腹部、二の腕の脂肪吸引、豊胸手術を一度に5時間以上かけて受けた。しかし、その2日後に痛みを感じ、呼吸困難に陥ったという。


救急車で病院に搬送されたが、多臓器不全に陥り、危険な状態にあると診断された。その後、より設備の整った病院で、2度手術を受けたが助からず、2ヵ月後に亡くなった。


その原因は、脂肪吸引手術での手順の間違いによるとされ、手術を行ったクリニックはすでに当局によって閉鎖されたと報道されている。


この事件によって、中国では大きな議論が起き、美容整形クリニックに対する規制強化を求

める声や、美容整形に対するリスクをもっと考えるべきだと諭す声が高まった。


女性たちが美容整形に走る理由

なお、多くの若い女性たちが何度も美容整形を重ねるのは、「男性との出会いだけでなく、良い外見であることが仕事面でも有利にはたらく」からだと、香港大学のジェンダー学教授であるブレンダ・アルガエは言う。


中国では、就職希望者は写真の提出を求められることが多いだけでなく、仕事内容に関係なくても、特に女性の身体的条件を指定する求人広告もある。


インターネットの普及によってさまざまな仕事の機会が生まれたが、そのほとんどが容姿に大きく依存しているため、以前よりもさらに容姿が重視されるようになっているそうだ。


そして、メディアで美容整形手術における事故が伝えられても、若者たちは整形自体をやめようとはしない。若いうちから手術を重ねることで、元の外見を忘れてしまうだろうと、ウは言う。だからこそ中国の美容整形市場は今後さらに拡大するのだそうだ。

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