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執筆者の写真Shunta Takahashi

エンジニア不足の日本は、女性に活躍の場を作ることができるか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.155】

ハイテクなイメージと巨大な経済規模とは裏腹に、日本のデジタル化は遅れており、旧来の紙文化が根強く残るオフィスでは、ファクスやハンコがまだ普通に使われている。

そんななか、パンデミックの影響で、デジタル化の促進に拍車がかかり、菅義偉首相が旗振り役を務めるデジタル・トランスフォーメーション(DX)が加速している。9月1日に発足したデジタル庁もその一環で、政府の悪名高い劣悪なオンラインサービスの改善を目指している。


ユネスコのデータによると、日本はIT分野の労働者を輩出する大学の課程に女性が占める割合が、先進国の中で最も低い国のひとつだ。また、科学技術分野の研究者に占める女性の割合も最下位クラスである。


この状況を改善できるかどうかは、ひとつに日本社会が「テクノロジー分野は男性限定の領域」という固定観念を払拭できるかにかかっている。

経済産業省は、2030年までに国内で45万人のIT技術者が不足すると予測する。そしてこの状況を、世界第3位の経済大国である日本の前に立ちはだかる「2025年の崖」問題と関連づけている。

6月に発表された、2021年の「ユネスコ・サイエンス・レポート」によると、低スキルの仕事が自動化されれば、世界的に女性は男性よりも不利な立場に置かれるという。急速に需要が高まる人工知能、機械学習、データエンジニアリングなどの分野では、女性がスキルを身につける機会も減少していると、同レポートは指摘している。


元リコーのソフトウェアエンジニアで、現在は千葉商科大学の副学長を務める橋本隆子は技術者を目指す女性を支援する公的プログラムが皆無に近い、と指摘する。


そして、育児休業後の職場復帰を希望する女性向けに、政府が技術系の再教育プログラムを設けるべきだと提案している。


「政府はこの問題にリーダーシップを発揮する必要があります」と橋本は主張する。「政府は、これまでのところデジタル化と男女共同参画を結びつけて検討していません」

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