今回の記事は長らく唱えられてきた人間関係を構築できる数についての議論に関しての記事だ。
「友達や有意義な人間関係を築くことができるのは、150人まで。」 これは、イギリスの人類学者でオックスフォード大学のロビン・ダンバー教授が1993年に発表した「ダンバー数の法則」として知られている。
ところが、最近になってストックホルム大学の研究者たちが、人間は「努力次第で」150人以上の友人を持つことができるという論文を英科学誌「バイオロジー・レターズ」に発表した。
今回の研究では、最新のデータセットと統計手法を用いて、大脳新皮質の大きさが人の接続数を制限しないことを明らかにしている。
同大学の准教授ヨハン・リンドによれば、「交友関係の最大数を正確に設定することはできない」という。
ところが、この発表にダンバーは猛反発。彼らは自身の分析と、人間の繋がりというものを誤解していると、米「ニューヨーク・タイムズ」紙に語る。
同紙によれば、ダンバーは「有意義な人間関係」を「空港のラウンジで偶然出会っても気まずくならずに挨拶できるほど親しい人たち」と定義している。そして、その数は通常100〜250人で、平均すると150人前後になる。
人間は生まれたとき、「有意義な人間関係」を1人か2人でスタートする。そして10代後半から20代前半で交友関係のピークを迎える。30代になると150人程度にまで広がり、その数は60代後半から70代前半まで横ばいで、その後に交友関係の数は「激減しはじめる」。そして、長生きすれば「1人か2人に戻る」。
時代は変わった
今回の研究には参加していないが、以前にダンバーのもとで研究していたカナダのレスブリッジ大学の心理学教授ルイーズ・バレットは、この分析結果を「堅実なもの」であるとしている。
「今回のデータを受けて、私たちはこれまでの解釈や仮説を見直し、調整する必要があるでしょう」
また、コロンビア・ビジネス・スクールのアンジェラ・リーも同様の見解を示している。というのも、ダンバーがこの数字を発表したのはインターネットの黎明期であり、ソーシャルメディアが私たちのコミュニケーション方法を変えるずっと前のことだったからだ。
「現代では、リンクトインのようなネットワーキングツールにより、維持できる人脈の数を増やすことができます。キャリアアップやクリエイティブなアイデアを生み出す際に最も役立つのは、ネットワークの外側にいる人であることが多いのは、調査でもわかっていることです」
しかしそれでもダンバーは、彼の理論が有効であると主張している。ソーシャルネットワーク上の繋がりの質は、低いことが多いからだ。また彼は、自身の人間関係を分析しないようにしているそうだが、自分には150人ほどの友人がいると推測する。
「自分の社会的ネットワークがどのように構成されているかは、よく考えればわかることです」
そして、ダンバー数は「どこにもいかない」、つまり最新の研究で批判されているものの、この法則は不変であると断言した。
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