リモートアワーは、オンライン上でビジネスパートナーや顧客などとの「常時接続」を可能にするツールだ。利用者は、自分の“部屋”をオンライン上に設け、対応可能な時間を周囲に通知できる。
オンライン会議ツールが空きの会議室だとするならば、リモートアワーは“会いたい人”が常駐している部屋のようなものだ。いまでは多くの学生に対応する大学教授たちや、メイクアップ用品の販売店のように、顧客のために常駐する必要のある接客業の人たちにも「仮想店舗」として愛用されている。
自分が勝てる領域は何か──そう考え始めてから、創業者である、山田は自身が戦うべき分野は「リモートワーク」だという結論に至った。
自分自身がもともとリモートで働いたこと、そして、生活コストが高いシリコンバレーでは、以前からリモートワークが働き方のひとつとして普及していたことが大きな理由だ。いち早く、リモートで人が働く様子を間近で観察していた山田には、「今後、皆がリモートで働くことが当たり前になる」という感触があった。
これからはリモートで信頼関係を築く時代
リモートで働くことがこれまで以上に当たり前になると山田は話すが、オンラインで信頼関係をゼロから築くことは、はたして可能なのか。そう尋ねると、山田はこう答えた。
「リモートアワーが信条とするのは『リモートワークにおける人間関係の構築を支援すること』です。チャットなどの非同期ツールで業務上のやりとりは可能でも、やはり信頼関係を築くうえで重要なのは、偶然生まれる“同期的な会話”です」
オフィス空間であれば、事前に日程調整をする必要もなく、すぐに話しかけることでコミュニケーションが成立した。
こうした同期的なやりとりをリモート空間で作り出すことで、組織づくりを支援するのがリモートアワーの使命だと、山田は考える。
人材採用、資金調達、顧客対応をはじめ、今後リモートワークを通じて、既知の人だけではなく、新たな人たちとともに信頼関係を育む時代になっていくだろう。
リモートアワーを手がける山田自身がそうしたプロセスを体感している。投資家やチームメンバーのなかにはまだ直接会ったことがない人も多い。
自身が体験していることだからこそ、その言葉には説得力が感じられる。
「リモートアワー」は彼にとって、どのような存在なのか──彼は、あくまで「51個目のプロダクト」だと考えている。
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