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執筆者の写真Shunta Takahashi

日本人は自分の意見を表明し、主張するように育てられていない【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.141】

日本の外国人・移民は、全人口の約2.3%のみで、これらの人々は日本の政治的な議論の間ではほとんど無視されている。


欧米の国々と比較し、バレット准教授は「日本では、移民は必ずしも勤勉な地元の労働者から仕事を奪うものとは見なされていません。なぜなら、日本には失業危機がなく、人口減少問題があり、実際に労働力が不足している産業がたくさんあるからです」と話す。


このような状況は、ヨーロッパの多くの国で盛んになった移民排斥主義者のポピュリズムのような形態が、日本ではあまり意味を持たないことを意味している。


小泉流ソフトなポピュリズム


日本の国政におけるポピュリズムは、他のG7諸国に比べて弱めというのが大方の見方ではあるが、常々何らかのポピュリズムを表しているとされる政治家もいる。

アナリストやメディアから「ポピュリスト」と呼ばれた日本の政治家の1人は、2001年から2006年まで首相を務めた小泉純一郎だ。

小泉ポピュリズムの頂点は、2005年に郵政改革を強行するために解散総選挙を実施したときだ。小泉は、改革に反対する候補を政権与党から追放し、独自の「刺客」候補を立てた。有権者の反応は上々で、小泉は劇的な地滑り的勝利を収めた。

国家レベルの日本の「ポピュリズム」はその後間もなく消滅し、民主党は米軍基地再編や福島原発事故の処理などで3年間にわたり政策を失敗、これが安倍晋三の復活につながり、国民は日本をより自立的で活気ある社会の国にするための前向きな政治的変化を期待することに疲れて意気消沈した、というふうにハリスは見ている。

日本型ローカル・ポピュリスト

しかし、日本の政界のなかに、ポピュリストであるとよく見なされる政治家がいることも事実だ。大都市の知事や市長である。


上智大学のティナ・バレット准教授は、日本の地方に目を向けると「他のG7諸国の地方レベルよりも、ポピュリズムがはるかに顕著です」と指摘している。


最もよく引き合いに出されるのは、2008年から2015年まで大阪府知事、大阪市長を務めた橋下徹だ。若くて威勢のいい橋下は世間の注目を集め、2012年の世論調査では日本で最も人気のある政治家とされた。


通常穏やかな日本の政治家とは異なり、極右の橋下は、貧しい階級の出身で、敵と見なした相手をためらわずに叩いた。そのターゲットは国、官僚、労働組合、日本共産党などだった。


橋下の終焉の始まりは、2012年末に安倍晋三が首相に選ばれたときのことだった。橋下と安倍の右派的な政治観は似通っていたため、安倍は橋下のお株を奪い、中央政府に対抗するのをより難しくしたのかもしれない。

バレット准教授は、これらの日本型ローカル・ポピュリストについて、他国のポピュリストとはまったく異なる種類のものだと見ている。

この特徴は、「日本には新自由主義的な革命がなかったため」だとバレット准教授は考えている。興味深いことに、経済政策の方向性という点では、「日本のポピュリストは、他のG7諸国でポピュリストが戦っている体制派の人物にあたる」という結果になっている。

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