コロナ禍で、多くの人が「目の不調」を訴えている。英紙「インディペンデント」は、英国国立アングリア大学のルパート・ボーン教授のコメントを掲載。同教授は「2050年には世界人口の半分ほどが近視になる」と予想する。
近視の原因として、まず挙がるのが「モニター画面」だ。特にパンデミック以降、リモートワークからオンライン授業に至るまで、私たちはデバイスを過度に利用している。英国の通信規制機関「オフコム」が発表した報告では、英国成人のスクリーン・タイムは1日3時間半以上だという。そして、直近の3年間でオンラインの時間は20%ほど増加している。
こうしたデータを見ると、確かに“犯人”はスマホやPCの「画面」だと考えるのも無理はない
だろう。しかし、違う原因を指摘する専門家もいる。
屋内での生活が長すぎるだけ?
英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、英国の眼科医団体「カレッジ・オブ・オプトメトリスト」で顧問を務める、パラムディプ・ビルク博士の見解を紹介した。
「画面の見過ぎが、目に長期的なダメージを与えるという根拠はありません。メガネやコンタクトレンズを必要とする人はコロナ以前からも増え続けています。根本的な問題はスクリーンではなく『長すぎる屋内生活』です」
ビルクによれば、屋外で過ごすことで近視の発症が遅れることがわかっているという。自然光を浴び、さまざまな距離から対象物を見ることが目にとっては大切なのだ。
しかし、ビルクは「画面の見過ぎで目の疲労が起きる可能性はある」と警告している。ただ、それはあくまで一時的なものであり、長期的な近視とスクリーン・タイムについての関連を明らかにするためには、より多くの研究が必要とされるそうだ。
眼精疲労を軽減するために、ビルクは次の3つの方法を推奨している。
・20秒ルール 窓の外を20秒眺めるだけでOK。遠くのものにピントを合わせる時間を作ろう。
・水分補給 一時的な眼精疲労には水分摂取が効果的だと考えられる
・モニターとの距離
画面とは「腕の長さ」以上の距離をとろう。
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