世界最強の諜報機関「モサド」を擁するイスラエルは、中国スパイに負けているのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.133】

英TV「SKYニュース」は、米サイバーセキュリティ企業からの情報で「中国のサイバースパイ工作集団がイランのハッカーを装い、イスラエルの政府機関各所に侵入している」と報じている。 イスラエルとライバル関係にあるイランを装っていること自体、かなり狡猾な中国人ハッカー集団だと言えそうだ。

さらにこのハッキング集団は、「イスラエルでこうしたにサイバー攻撃を実施している間に、イランやUAEやカザフスタンの標的にもサイバー攻撃を仕掛け、自分たちの攻撃の動機を撹乱させようとしていた」という。

このハッキング手法は典型的なサイバー攻撃で、システム内部に入りアクセス許可を得て、自由に内部を見てまわり、欲しい情報を盗み出す。 ただ特筆すべきは、わざと攻撃ツールにイランで使われるペルシャ語を混ぜ込んだりして、イランからの攻撃であることを装っていたことだ。

アメリカは度々忠告していたが…

中国から他に例を見ないほどサイバースパイ工作を受けてきた「先輩」のアメリカは、イスラエルに対し、中国がサイバースパイ工作をしていると少し前から警告していた。 実際に中国は世界の途上国を相手に、広域経済圏計画「一帯一路」で港などインフラ事業に関わり、影響力を強めようとしていると指摘されてきた。その波がイスラエルにも来ているのである。

ドナルド・トランプ前大統領も、イスラエルのハイテク部門に中国が投資を行うことに警鐘を鳴らしていた。

しかしイスラエルは、アメリカがプレッシャーをかける「中国企業の排除」の方針においても、独自の姿勢を見せてきた。米シンクタンク「外交問題評議会」の分析では、イスラエルと中国の貿易は増えており、中国側はイスラエルの革新技術などに興味を示している。これを自分たちの技術革新に繋げようとし、イスラエル側は中国からの投資を歓迎しているという。

世界的に報じられた背景にあるのは


イスラエルは世界的な凄腕の諜報機関「モサド」を擁する。サイバー攻撃も防衛も優れている。にもかかわらず、なぜ中国からサイバー攻撃を受けている事実をわざわざ米サイバーセキュリティ企業から報告されなければならないのか。

さらに言えば、モサドやイスラエル国内のスパイ行為を取り締まる「シンベト」は、当然中国からイスラエルに攻撃がたくさん来ているとわかっている。だがビジネスの関係を優先して、大ごとにしてこなかったのである。

中国によるイスラエルへの攻撃は今に始まったことではない。イスラエルも重々その攻撃は承知している。 そう考えれば、今回の中国によるサイバー空間を使ったスパイ工作のニュースは、米政府などアメリカ側からの働きかけの一環である可能性は否めない。

今回のサイバースパイ工作や、それ以前から米英などを狙ったサイバー攻撃の犯人であると糾弾されてきた中国は、こう反論している。

「アメリカは同盟国と結託し、サイバーセキュリティの問題で正当な根拠のない非難を中国に向けている。政治的な動機による完全な誹謗中傷であり、抑圧行為である。中国は決して受け入れることはできない」

イスラエルはビジネス的な利益をすぐに手放すとは思えない。これからも、アメリカ発で、イスラエルを狙った中国のサイバースパイ工作が度々報じられることになるかもしれない。 イベント参加はこちらから。

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