「生産性」を高めるという秘訣が大量生産されては、その大半が非生産的に消えていく。あなたがいまだに実践している生産性アップ術は何かあるだろうか? 生産性について取材を重ねてきた米経済メディア「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」の名物コラムニストが、効果を実感している秘訣ベスト5を軽妙にまとめる。
「ToDoリスト」は捨てるべし
ToDoリストの代わりに私がいまも使っているのが、タイムマネージメントの導師ケリー・ノーランが編み出したスケジュール調整術「ブライト・メソッド」だ。
このメソッドを要約すると、デジタルカレンダー上ですべてのことについて時間を区切り、自分は何について「はい」と「いいえ」が言えるかを把握するというものだ。
ノーランは、このシステムが人々に良い決断を促す力になると見ている。「ほかのことを引き受けるのが実際に無理なのはいつかに気づくから」だ。
悪い案も投げてみれば報われる
50のネタを記事にするのに、私の場合、200以上の発案が要る。その大半は日の目を見ないが、そこにはそれなりの理由がある。
ロサンゼルスのクリエイティブディレクター、アディ・グッドリッチが薦めるのは、それほどピカイチでもない発案でもほかの人に投げてみることだ。というのも大事なのは発案そのものでなく、投げたあとのディスカッションだからだ。
「良い協力者と一緒に仕事をしていれば、常に会話から何かが生まれてくるからです」とグッドリッチは言う。
生産的に先延ばしにすべし
ボストンの中学校の教師リリー・マーシャルは、生産的な先延ばしを推奨している。
そのつまらない、あるいは厄介な仕事タスクをやりたくない? では違うのをやるべし。
違うタスクでも、いずれにせよ今日こなすべき課題のひとつでなければならない。それはたとえば、旅行グッズのオンラインショッピングといった、ロックダウン中の私の趣味みたいなものではだめだ。
生産的な先延ばしなら、ただ何もせず、罪悪感を覚え、後れを取るというループは避けられる。
謙虚な熱意を醸し出すべし
自分こそが自身の最高のセールスパーソンだと言うのは、クッキングウェアのサイト「ヘドリー&ベネット」を立ち上げたエレン・ベネットだ。
「『この女子はほんとにエプロンが好きなんだな。よしわかった、私のところに来てもらって話すか』って感じですね、みなさん」とベネットは言う。
ベネットがおしゃべりした人たちが、ほかのひとにこの「エプロンレディ」との面白い会話のことを話すのだ。
ビジネスを立ち上げるためには、「このコミュニケーション要素がかなり根本的です」とベネットは言う。
感じ悪くならないやり方はあるのか?
ベネットによれば、自分の醸し出す雰囲気に「共有する熱意、学ぶ熱意」があるべきだという。そこには、ほかのひとの考えや批判に耳を傾けることも含まれる。
駆け引き上手たれ
この先、同僚の間抜けな計画にとても賛成できないということがあるとしよう。そんなときに、自分のはるかにいい案を2度なり3度なり説明しても効果がないことをわきまえようと言うのは、ペンシルベニア大学の組織心理学者アダム・グラントだ。
それは、意見の対立を招くだけだ。むしろ、非反抗的なアプローチで「あなたの考えを変えるものは何でしょう?」と尋ねてみよう。
たとえば、こんな言い方だ。
「私が心配しているのは、会社のリトリートを週末にやったら参加しない人が多いんじゃないかということです。日付を変えるとすれば、何を確認しておくべきだと思われますか?」
こう言えば、同僚に日付を変えることを想定してもらいつつ、週末にこだわる理由も明確にしてもらえる。
その答えから、同僚の優先順位の観点で議論をどう組み立てればいいかわかる。
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