シリコンバレーで再び「クリーンテックへの投資」が大ブームになっている【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.87】

マーティン・ロッシュアイゼンはかつて、グーグル創業者らが出資するスタートアップ企業の経営者だった。同社は化石燃料よりも安価に電力を生成できる太陽光発電を実現することで、世界にグリーン革命を起こそうとしていたのだ。


そんな彼がシリコンバレーの投資家に富をもたらす次の革命として注目したのが、グリーンエネルギーだった。

太陽光発電はやがて世界で最も安価な電力源となった。だがその立役者はシリコンバレーではない。中国だ。政府の支援を受け、中国企業が太陽電池パネルの生産を急拡大した結果、この10年間で太陽光発電のコストは80%も低下した。


中国が実現した太陽光発電の拡大と、風力発電、電気自動車用バッテリー分野におけるコスト削減は、クリーンエネルギー投資の新たな波──すなわち「クリーンテック2.0」の基礎を築いた。

今日では、新しい電力貯蔵技術から、持続可能な航空燃料、培養肉、低炭素型コンクリートなどの関連企業に投資マネーが流れ込んでいる。この10年間に数十社が特別買収目的会社(SPAC)と合併するかたちでアメリカの証券取引所に上場し、数十億ドルを調達した。


昨年上場したサンノゼに本社を置く電池開発のスタートアップ「クアンタム・スケープ」の評価額は210億ドルだ。バンク・オブ・アメリカの試算では、脱化石燃料の恩恵を受ける上場企業の資産総額は6兆ドルに達する。


よく言われるように、研究レベルのテクノロジーを大衆市場向けの製品、たとえば「CO2排出量を世界レベルで削減できる低コストの量産品」に落とし込むことは難しい。実現までに何年もかかる可能性さえある。これは過去10年間に多くの投資家が身をもって学んだ痛い教訓だ。


しかし、今回は違うとアナリストは言う。今日の起業家たちははるかに広範な問題に取り組んでおり、事業の脱炭素化を誓約している大企業も支援を惜しまないからだ。


今世紀半ばまでに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという中国政府やEU諸国政府の約束も、この種の商品の市場を支えている。またジョー・バイデン米大統領も、大統領選挙ではグリーンエネルギーに2兆ドルを投じることを公約に掲げていた。


「今や気候変動の影響はあらゆるものに及んでおり、企業はこの問題を(太陽光発電のような)特定のセクターではなく、より広い視野から捉えるようになっている」と指摘するのは、気候とイノベーションに関するニュースレター「クライメート・テックVC」を運営する投資家のソフィー・パードムだ。


「個人も企業も経済も、気候変動を自分の問題として考えるようになっています。以前はプレゼン資料に貼り付けられたイメージ図でしかなかったものを、今では誰もが導線に火が付いた時限爆弾として捉えているのです」

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