突然ですが質問です。
あなたがサッカー選手として今月末に試合があるとします。
とっても大事な試合で、これに勝てば優勝に一歩近づきます。
ただ、その試合ではいつもと違う前提があります。
それは試合の結果が3-0で勝つということが決まっています。 また、あなたは試合に出ることはできません。
これは100%確実です。さて、あなたは月末までどのような日々を過ごしますか?どのような姿勢で練習に望みますか?
先に結果が決まっている、ということについて
この質問は仕事における働き方の比喩を表しています。
どういうことかというと、サラリーマンと起業家の違いは結果が先に決まっているか?そう
じゃないか?という違いがあるということです。
サラリーマンは、まず最初に結果(年収)が決まっています。そして、それに合意をしたら労働という対価を払います。これが守られなければ、契約違反になります。
逆に起業家は自分で結果を決めます(売上目標など)が、それが達成できるかどうかは分かりません。もし達成できなかったら収入が0になるどころかマイナスになります。
要は結果が保証されていないものに対して先に対価を払うのが起業家ということになります。
どちらがいいとか悪いという話ではなく、そういうものです。
サラリーマンは確実に給料がもらえる反面、収入を自分で決めることはできません(フルコミッションや、ボーナスはあれど差はそれほどない)。
起業家は収入が青天井になりますが、その分、給料の保証はありません。
自由には責任が伴います。
給料が保証されるけど収入は青天井、みたいな話はないわけです。
ある起業家のお話
先日、65歳で元々アパレルの事業を展開していた方の話を聞く機会がありました。
その人は10年間アパレル企業に勤務した後、31歳で独立してアパレルの企画会社を立ち上げます。しかし、16年間黒字経営を続ける中で、得意先の大手企業が倒産したのを目の当たりにし、これからの時代は厳しくなる!ということで別の事業を模索します。
そんな中、大学の先輩で自分よりも格段に大きな事業を展開していた方から、人生最後の仕事に取り組むから一緒にやろう、と誘いを受けます。
その人は、2度とこんなチャンスはない!ということで会社を清算し、その事業に取り組みます。当時、46歳。
会社を清算する際に、中小企業だったため数千万円の借入が残った状態でのスタートです。
しかし、数年は全くうまくいかなかったみたいです。今でこそ億単位の収入を築くまでに成長しましたが、当時はかなり窮地まで追い詰められていたみたいです。
その話を聞いた時に、すごく印象的だったのは、「新しく事業をする時に、すぐに上手くいくと思った。でも全然ダメだった」という発言です。
そうです。起業は思った以上にうまくいかないことだらけです。
僕自身も当然そうだし、オリックスの時にVCとして検討していた際に、先方が事業計画を
持ってきていましたが、今の時点でその計画を超える成長をしている状態の会社は1社もありません。
それなので、もし起業したりフリーランスとして独立する際は、思っている以上に上手くいないということを認識しておく必要があります。
(イメージでいうと、上手くいかないな〜と悩みながらも進み続けて振り返ったらそれなりに形になっていた、という状態が自然かもしれません)
とはいえ、結果が決まっていないという状態は結局、決まっているのと比較すると楽しいです。本当に冒頭に述べたサッカーの試合前みたいな感覚。絶対勝つと決めて、それに向かって走り出す。その方がパワーは出ますね。
どちらかをすぐに選ぶ必要はないと思うし、参考程度の記事かもしれないけど、もしどっちがいいか?ということを考えるフェーズにきた時には、これらの違いは認識しておいていいのかなと感じます。
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