交通事故で昏睡状態に陥り、9ヵ月後に奇跡的に目を覚ましたケニアの警察官がいる。眠っている間に、家族には死んだと思われ、仕事も職務放棄で解雇されていた。
英メディア「BBC」によると、ルーベン・キムタイ・レル巡査は、2020年12月20日に交通事故で重症を負い、ナイロビの国立病院に入院していた。集中治療室で治療を受けていたのだが、その消息はなんと家族にも勤務先の警察にも知らされていなかった。
というのも、意識を失ったキムタイは身元確認ができるものを所持しておらず、病院側も身元不明人として扱わざるを得なかっのだ。
ケニアメディア「ケニアン」によると、年が明けても彼の身元は判明せず、家族もキムタイの行方を見つけらなかった。警察も、キムタイの捜索を必死に行ったものの、その居場所を突き止めることはできなかった。そのため、1月19日、警察はキムタイは職務を放棄したと正式に決定。キムタイは解雇された。
一方、家族はキムタイは死んだものと諦め、その遺体を遺体安置所で探したそうだ。指紋が一致しなかったゆえに取りやめたものの、キムタイと容姿の似た遺体を回収しようとしたこともあった。
奇跡の回復
しかし、8月末頃からキムタイは少しずつ意識を取り戻し始めた。自分の名前や、職業が警察官であること、自分の姪が住む地域を医療スタッフに伝え始めた。取り戻せた記憶はわずかだった。それでも、断片的な情報を手がかりに、身元確認のための捜索が開始された。
そして9月後半にキムタイの意識が安定した頃、身元不明の患者であったキムタイは、役所によって特定。連絡を受けたキムタイの家族は、9ヵ月ぶりに再開を果たす。
「病院でおじに会えました。でも、おじは私を認識できず、家族の名前すら思い出せなかったんです」とキムタイの姪は言う。
その後、キムタイは無事退院し、現在は家族の介護を受けながら自宅で療養しているという。
現在、警察はキムタイを復帰させるための手続きをとっているそうだ。しかし、すでに50代後半の彼は元々定年を楽しみにしていたとのことなので、実際に復帰するかはわからないと姪は述べている
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