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執筆者の写真Shunta Takahashi

「町の本屋さん」をアマゾンから守れ! フランスが配送“実質無料”禁止へ新法【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.186】

フランスの新法は、とてもフランスらしい方法で、独立系書店を保護しようとしている。アマゾンなどの大手小売による割引を相殺するため、書籍配送に最低価格を義務付けるというものだ。


文化的産物としての独立系書店の保護は、国家の優先事項でもある。1981年に制定された法律では、書籍は一定の価格で販売し、5%以上の値引きをしてはならないと定められている。


アマゾンをはじめとするオンライン小売業者は、このバランスを崩している。2014年、フランスの国民議会は、オンライン書店の無料配送提供を禁止する法律を可決した。これを受けてアマゾンは最低配送料をわずか1セントに設定。独立系の書店では通常、6ドル前後の手数料で本を配送している。

オンライン書籍売り上げ、8割が大手

文化省によると、フランスでは2万〜2万5000の店舗が本を販売しており、うち約3500〜4500店が書籍を専門としている。本の経済圏を守るための努力にもかかわらず、アマゾンやフランスのオンラインストア(フナックやクルチューラなど)が拡大するにつれ、多くの独立系の書店が経営難に陥っている。

フランスが書店のロックダウンの対象外とされる前のパンデミックの初期には、政府が配送料を払い戻していた。


国民議会は今月、この法案を可決したが、まだ施行されておらず、最低配送料についてもまだ交渉中だ。エマニュエル・マクロン仏大統領の支持を得たこの法律は、オンライン小売業者を名指しで対象としているわけではない。


フランス文化省はロイター通信に対し、「この法律は、オンライン書籍販売における歪んだ競争を規制し、現状のままでは避けられない独占状態を防ぐために必要だ」と述べた。

「書店を国民文化の一部として再定義」


一方、アマゾンはこの法律に異議を唱え、低所得者層や実店舗に行きにくい人々に悪影響が出ると主張している。


アマゾンの広報担当者は「書籍への最低配送料導入は、小さな町や地方に住む低所得の読者に影響を与えるため、書籍への平等なアクセスが脅かされます」と電子メールの声明で述べている。「これまでオンラインショッピングは、消費者の居住地にかかわらず、本を平等かつ便利に入手できる環境を強化してまいりました」


独立系書店を研究しているハーバード・ビジネス・スクールのライアン・ラファエリ准教授は、この法律について「書店の価値を、国民文化の一部として再定義することを目的としています」と、メールで記した。


「アマゾンが市場で優位になることが多い価格や在庫などの分野とは異なり、『コミュニティ』や『文化』との競争はオンライン大手にとってより難しいと思われます」

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