いまだ19世紀の設備に頼り続けるファッション業界を変える──「繊維テック企業」たちの挑戦【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.21】

今回は「ニューヨーク・タイムズ」が取り上げた「繊維テック」について紹介する。

いま、ファッション・トレンドと同じように、衣類も循環して再利用されるべき、という観点から従来の衣料繊維に代わる新しい「素材」が求められている。


その理由としてファッション業界では、埋立地行きになる不要になった服の量がとてつもなく増えているからだ。エレン・マッカーサー財団の調査によると、2000年から2015年にかけて、世界の衣料生産量がおよそ2倍に増えた。


また、「一着の服が着られた回数」は36%減少しているし、1秒間にごみ収集車1台分の服が、焼却施設や埋め立て地に廃棄されていることも判明した。ちなみに同期間に購入された衣類が60%増えたのに対し、廃棄されるまでの期間は半分に短縮したことが、世界経済フォーラムの調査でわかっている。

その結果として、衣服の製造工程で環境汚染が引き起こされているという批判の声が高まっている。


そこで多くのブランドがサプライチェーンの改善に乗りだし、なかには、スタートアップと協業し、環境にやさしい生産を開始するアパレル企業もある。


エヴァニュー社の取り組みについて

エヴァニュー社は衣類の綿を「リヨセル」というセルロース繊維の一種に再生する技術を世界で初めて開発し、2021年内に商業化が期待されている。


「NuCycl(ニューサイクル)」と呼ばれるこの技術は、繊維の構成をより正確に特定するカメラを搭載することで、リサイクルの最初の過程である衣類の分別、格付け、裁断を効率化した。


装飾、ラベル、使用されている糸が原因で、再生できる綿の量が20%ほど減少することもあるのだ。

同技術の中核は、パルプ工場で行われる次の工程にある。裁断された衣類を分解し、パルプにするステップだ。このパルプは厚紙へと形を変え、次のサプライチェーンである繊維製造メーカーで再重合され、リヨセルが生まれる。


エヴァニューでは過去にも、アディダスやステラ・マッカートニーなどさまざまなブランドと提携し、再生繊維の採用に取り組んできた。


消費者が納得しないとファッション業界の改革にはつながらない

エヴァニューなどの企業は「完全循環型」ソリューションの提供を目指している。つまり、商品を作る初期段階であるデザインの時点で、素材の最終状態を配慮するプロセスだ。

しかし、靴メーカーのサウザンド・フェルの創業者のスチュアート・アルムが「業界には消費者はサステナビリティのためなら品質に妥協してくれるという期待感があるようです。けれど、そんなに甘くないのが現実でしょう」と言うように、こうした開発は消費者が納得しないとファッション業界の改革にはつながらない。


見た目、感触、そして価格においても消費者を満足させなければならないからだ。

また、素晴らしいデザインや優れた商品を開発しても、商品を積極的に回収するところまで考えられていなければ、あまり意味がなく、環境にやさしいだけでも不充分だ。


このように環境に配慮するということは実はすごく難しいことだ。

そのことを消費者の我々が知っておくことはとても大事なのではないだろうか?


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