今回はLGBTについて、インターネットが果たしている役割について解説をしている。
最近、ニュースやSNSを見ると、自らの性的指向や性自認をあきらかにする「カミングアウト」をする人が増えてきた。
LGBTの人々のなかには、自らのアイデンティティについて、友人や家族にはけっして話さない人もいるものの、ピュー研究所の調査によれば、アメリカ人のゲイ男性4人に3人が、人生において大切な人全員、あるいはほとんど全員に自らの性的指向を打ち明けている。
そして、このカミングアウトというのがインターネットの出現によって大きく変わってきているのである。
その変化は何か?というと、2つある。
1つめの変化は、以前よりもカミングアウトをする年齢が低くなったこと。2つめの変化は、カミングアウトは、各国のますます広い範囲でおこなわれるようになったことだ。
カミングアウトの年齢が20歳も早くなった!!
2018年、ウィリアム研究所は、聞き取り調査をおこなった。そして、50代の人々は26歳ころに自分のセクシュアリティを明かしていたが、現在の10代後半〜20代前半の若者は17歳の誕生日前にすでにカミングアウトを済ませていることを明らかにしたのだ。
この変化の原因の一つは同性関係に対する人々の態度が劇的に寛容になったことが大きいと考えられる。
1987年には、半数以上のアメリカ人は同性愛は違法だと考えていた。だが、ギャラップの調査によると、現在では4分の3近くが合法だと考えていることからも、見て取れるだろう。
しかし、そもそもカミングアウトするを他人に話し出す前に、まずは自らに対してカミングアウトをする必要がある。
その中でインターネットの普及がこの部分を大きく変えたのである。
ネットを使って自らのアイデンティティを公表する
いまでは、自らのセクシャリティやジェンダーについて疑問に思い始めた子供たちが、スマートフォンで、いつでもすぐに、ほぼ匿名で情報にアクセスできるようになった。
ユーチューブには、先人たちによる自己啓発ビデオが大量にあり、SNSはティーンエイジャーを同じ気持ちを持つ仲間に結びつける。
そして、ティーンエイジャーたちは、インターネットを利用して、新たに発見したアイデンティティを試しに公表してみているのだ。
カミングアウトの映像をアップする者もわずかにいるが、多くはインスタグラムのようなSNSで情報を共有している。
こうした公表がネット情報に蓄積されることで、これからLGBTとして生まれてくる多くの方がまた若くして公表をするようになるという連鎖が起こるのではないだろうか?
LGBTはマイノリティということで市民権を得る一歩手前の状態であるが、これから10年後には立派な地位を確立しているのではないだろうか?
Z世代の台頭も踏まえて、未来の状態を想像することも大事だと感じるのである。
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