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執筆者の写真Shunta Takahashi

読書のスピードを上げつつ、理解度を深める方法【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.81】

読書のスピードを上げつつ、理解を深めるにはどのようにすればいいだろうか?

情報社会に生きている私たちにとって、知識は力だけでなく、利益をもたらしてくれる。金銭的な側面だけでない。より早く学べば、より多く稼ぐことができるのは当然だが、私が言いたいのはあなたの人生の別の側面だ。


人間関係から健康、キャリアにいたるまで、あなたにとって大事なものすべてに関して、読書量を増やすことで、大きなインパクトを与えることができる。大きな影響、大きな収入、大きな知恵……。あなたが望むものは、なんでも読書量を増やすことで実現できる。


問題は、伝統的な速読法がスキミングと呼ばれる拾い読みに基づいている点だ。飛ばし読みをして、要点を掴む方法だ。

速く読書ができても、その内容を理解し、記憶を保持できる方法でなければ意味がない。


乗り越えるべき障害

読書はスピードと理解という2つの要素から成りたっている。片方だけ上達しても意味がない。

よくある迷信に、本を速く読むと理解力が低下する、というものがある。だが、世界中に生徒を抱えている私に言わせれば、読書スピードが速い人ほど理解度が高い。なぜなら、集中力がものすごく高いからだ。


逆に読書のスピードが遅いと、気が散って、眠くなったり、別のことを考え出してしまったりする。読書をしているとき、意識を集中できなかったり、別のことを考えてしまったり、眠くなったりする人がいるのはそのせいだ。読書自体を、鎮静剤のように利用している人もいるだろう。

読書の速度がアップすると、理解度が落ちるというのは迷信にすぎない。


「ペーサー」を活用する


ここで読書のスピードを25%から50%、あるいは倍増させるコツを教えよう。そのコツとは、ペーサーを使うことだ。


今度、読書をするとき、指やマーカーやペン、あるいは、コンピュータのマウスを使って、読んでいる文字をなぞっていく。伝統的な速読法では、ページのうえにSやZの文字を描いて拾い読みするが、それではたくさんの言葉を飛ばしてしまうことになる。私が勧めるのは、読んでいく文字に軽く線を引いていく。それによって、どこに集中すべきかわかり、目で追いかけることができる。


私たちの目は、動きを捉えるようにできている。たとえば、部屋のなかに動く物があったら、目は自然に追いかける。これはサバイバル本能に基づいている。狩りに出かけているとき、森の茂みが動いたら目がさっと感知する。刺激のなかにいるのは、あなたの食料になるものかもしれないし、あなたを食料とするものかもしれないからだ。


読書をするさいは、どうやって集中を保つか、という問題がある。でも、ペーサーを使って線を引いていくことで、集中力の維持を助けてくれる。

さて、ここからエクササイズだ。読みかけの本を開き、ストップウォッチで60秒間計測して、読書をしてほしい。


たいていの人は25%から50%に増えているだろうし、倍増している人もいるはずだ。もっと効果を出したい人は、ペーサーを使った読書になれてから、再チャレンジしてみてほしい。



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