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「潜在的偏見」の心理学─あなたは人を「曇りなき眼」で見定めているか?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.3】

「自分は差別主義者ではない」。あなたはそう言い切れるだろうか?もしかすると無自覚なだけではないか。


今回の記事は潜在的な差別意識を人が持っているかどうか?ということを実験して考察した内容となっている。


四半世紀前、ワシントン大学の社会心理学者アンソニー・グリーンワルドは、人間の心の不快な側面を明るみにさらすテストを開発した。


その結果としてはわかったことは、人は根深い偏見を持ち、それにまったく気づいていないということだった。

これを「潜在的偏見」として心理学の世界では定義づけられているらしいが、この知られるこの隠された態度は、私たちの対人行動に影響し、意図しない差別的な結果につながることもよくあるとのことだ。

潜在連合テストについて


この記事の中で潜在的な偏見を測るテストが紹介されていた。 それは、花や虫の名前と愉快または不快な言葉を使ったものだった。

どういう実験かというと、画面に表示された言葉を左右の手を使ってキーボードでタップしながら分類していく。


愉快な言葉と花の名前は右手で、不快な言葉と虫の名前を左手で分類するという、とても簡単な作業だ。なぜなら一般的に花を愉快なもの、虫を不快なものと考えているから。


その後に何をするかというと、逆の関連づけを強制する。つまり、一方の手で虫の名前と愉快な言葉を、別の手で花の名前と不快な言葉を分類させるということだ。


その結果、最初のパターンと逆のパターンでは反応時間が3分の1秒ほど遅くなった。心理学の研究では、被験者に迅速な回答を求める場合、3分の1秒は「永遠」みたいなもの。

つまり、逆にする前にはなかった心の動きがあることを示している。

その後、花や虫を、ヨーロッパ系アメリカ人やアフリカ系アメリカ人に分類されやすい男性や女性のファーストネームに置き換えた。


すると愉快な言葉とアフリカ系アメリカ人の名前に同じ反応をするには時間がかかったが、ヨーロッパ系アメリカ人の名前と愉快な言葉、アフリカ系アメリカ人の名前と不快な言葉の分類はすぐにできたとのこと。


つまり偏見を自覚していない人でも、潜在的な偏見が存在していたことがわかったのだ。


自覚していないことを自覚する


白人や黒人といった人種についての潜在的偏見は、テストを受けたアメリカ人の約70〜75%に見られるらしく、バイレイシャルの人やアフリカ系アメリカ人より、白人やアジア系アメリカ人のほうがその傾向が強いとのこと。

僕はこの記事を見て、こういうのは誰にでもあることで避けられない事実。つまり偏見をなくすということは、すごく難しいことだと感じた。


だから何をするべきか?というと、そういう自分を認めることが大事だと感じている。

そうすることで、潜在的偏見を顕在化した意識で自制することができるからだ。


人間の本能に関わる部分は努力ではどうにもならない中で、それと付き合っていく工夫が求められるだろう。今回の記事以外にも様々な場面で同様のことが応用できるのではないだろうか?


そんな風に感じるのである。


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