1.「メニュー」を用意する
相手があなたの提示した選択肢から道を選び、目指すべき目的地にたどり着くまでは、相手に発言権を与えよう。これは、広告代理店がクライアントにプレゼンテーションをするときに使う方法でもある。つまり、複数の選択肢を用意するのだ。
アイデアが1つだけだと、ミーティングのあいだ、クライアントに批判され続ける可能性がある。「制限された選択肢」で相手への自主性を与えることで、自分が提案したアイデアのなかから1つが選ばれる可能性は高まるはずだ。
2.言いつけるのではなく、質問する
「ジャンクフードで太る」「喫煙で癌になる」などの言葉では、人の心は動かない。そこで、メニューを提供するのと同じように、質問をすることで聞き手の役目を変えることができる。反論の方法を模索するよりも、質問に答える作業で忙しくなるからだ。そして、ある問題に対して意見を述べる行為は、好んでする人がほとんどだ。
また、質問は自主性を上げる。自分が出した答えは自分の意志だと考え、行動に移す可能性が高くなるのだ。「ジャンクフードは体に良いと思いますか?」という質問が、ジャンクフードをやめるべきだという説得よりも効果的であることを頭に入れておこう。
3.認識の差を明らかにする
考えと実際の行動には一貫性がないこと、または他人に勧めることと自分自身がすることに差があることを伝えよう。
プロジェクトがうまくいかないとき、「もっと時間が必要なだけだ」と言って、プロジェクトに執着するメンバーが出るのはよくあることだ。もし現在の状況に陥ることを事前に知っていたとして、それでもプロジェクトを始動させていたかを聞いてみよう。
自分の考えといま選択している行動の不一致を認識するだけで、人は心を変えることがある。
4.まずは相手を理解することから
なぜ相手が反抗的なのかを、より理解するための質問をしよう。答えに真摯に耳を傾け、相手の言ったことをくり返すと、信頼関係を築くことができる。
このアプローチは時間がかかるが、結果的に、反発的な姿勢をやわらげるために役立てるべき潜在的な要求や動機を発見できるだろう。
【事例紹介】組織レベルでアクションを起こすために
▼交換取引の重要性
経験豊かな上司は、採用候補者は交渉することを知っている。最初のオファー内容がどれだけ良くても、より多くの給与を請求してくるものだ。
そのため、上司は交換取引をする。たとえば、休暇を1週間追加するが給与は5000ドル下げる、または、給与は1万ドル上げるが株式報酬額は下げる、といったものだ。どちらの側面がより重要かを選ばせると、相手は自分が条件決定のプロセスで積極的な役割を果たしているように感じる。
その結果、相手の交渉への欲求を満たせるのだ。つまり、上司も採用候補者も同じように許容できる選択肢を用意しつつ、同時に候補者たちが満足できる結果となるように改善可能な状態を用意しておくということだ。
▼アドバイスを与えるタイミング
GMAT対策をはじめ、入学試験の対策クラスを提供するシェルパ・プレップスクールの共同オーナーであるナフィーズ・アミンは、生徒に充分な勉強をさせるのに苦労していた。
試験準備に費やすべき時間数を伝える代わりに、アミンは同校のプログラムから何を得たいのかを生徒に聞いた。生徒からは、志望する一流校や、入学するのに必要なジーマットのスコアの回答があった。
そこで彼は、その目標を達成するために、勉強に何時間を費やす必要があるのかを聞いた。生徒は見当がつかなかったため、彼にアドバイスを求めた。ここで彼が助言したことについては生徒からの反発はなかった。生徒は、アミンが示した時間数を、自分が望む点数を取るための道として受け入れたのだ。
イベント参加はこちらから。 ↓ https://peatix.com/group/7228383
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